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 歯周病治療 

歯周病とはどんな病気でしょう?

歯周病とはどんな病気でしょう?

最近は、歯周病(歯槽膿漏)という言葉をよく聞くようになってきましたが、残念ながら多くの方は正しく認識されていません。というのも、多くの方が歯周病にかかっているにもかかわらず、重症にならなければわからないためです。

こんな症状はありませんか?

  • 歯磨きすると歯肉から出血する
  • 歯肉が赤く腫れている
  • 歯肉から膿が出る
  • 食べ物が歯の間にはさまりやすくなった
  • 以前より歯が長くなったように見える
  • 朝起きると口の中がネバネバする
  • 歯がグラグラする
  • 歯が浮いている感覚がする
  • 口臭があるとよく言われる

これらは歯周病の症状です。早めの受診をおすすめします。

歯周病から歯を守るために

それではどうしたら歯周病から歯を守ることができるのでしょうか。

歯周病は知らないうちに進行してしまう怖い病気ですが、正しい診断と適切な治療で、改善できる病気でもあります。ただ、かなり進行した歯周病は元の健康な状態には戻りませんので、早い時期に受診して治療を開始するのが大切となります。

当院では、来院された患者さますべてにお口の中の診査を行ないます。虫歯はもちろん、自覚されていない歯周病も歯周組織検査で調べていきます。

  • 歯周ポケット(歯と歯肉の間にできる溝)の深さの測定
  • 動揺度
  • レントゲン写真による歯を支える骨の溶け具合の診査
  • 噛み合わせの診査(特定の歯に噛み合わせの力が集中していないか)
  • 歯磨きのチェック
  • 生活習慣・ライフステージ・生活背景の把握

以上から歯周病の治療計画を立てていきます。
軽い歯周病であれば、歯石除去と歯磨き指導で早期に回復させます。重度な場合は、歯肉の深い部位についた歯石除去を行ない、菌を減らしていきます。それでも改善しない場合は外科手術となります。

場合によっては、抜歯を提案することもあります。そのままにしておくと、他の歯の健康を損ねる場合があるためです。

病状が安定したら、患者さまの歯周病のリスクを考えながらメンテナンスを行なっていきます。歯周病は再発しやすい病気で、生活習慣が密接に関係してくるため、歯を長期に残せるかどうかはメンテナンスが大事なポイントとなります。

当院では、歯周病治療に長けた歯科医師・歯科衛生士が常駐しています。サポートはお任せください。

歯周病の進行と治療

歯肉炎

歯周ポケットから侵入した細菌は、歯肉の腫れや出血などの症状を引き起こします。治療を行なわない場合には症状が進行していきます。歯周病の状態は軽度・中度・重度の3段階で表します。症状がひどくなると最終的には抜歯が必要となるため、歯周病の症状を自覚した場合には、早期に治療を受けてほしいと思います。

3段階ある歯周病の状態と治療内容について、それぞれ説明します。

歯肉炎

歯周炎(軽度)

歯肉が赤く腫れて、歯磨きした際に出血するなどの症状があります。また、冷たい物がしみたり、歯を押すと前後に動いたりします。痛みを感じないため気づきにくいですが、放置しないように注意が必要です。

歯垢や歯石を専用の機械を使って取り除く治療が中心となります。歯垢を減らす「プラークコントロール」が大切になるため、歯磨き指導も行ないます。

歯周炎(軽度)

歯周病(中度)

軽度の症状に加え、歯を支える骨が半分くらいまで溶け、歯がグラグラしたり、食べ物が噛みにくくなったり、歯が浮いたような感覚があったり、歯肉に痛みを感じるようになったりします。見た目にも変化があり、歯肉が下がって歯が長くなったように感じます。

軽度の治療と同様に、プラークコントロールと歯石の除去が基本となります。

歯周病(中度)

歯周病(重度)

重度になると、歯肉から膿が出る・出血がひどくなる・歯が激しくグラつく・口臭が強くなる・歯と歯の隙間が広がる・歯がより長く見えるといった症状が見られます。歯を支える骨が大幅に溶けている状態のため、歯が抜け落ちる可能性があります。

治療としては、歯肉の深い部位についたプラークや歯石の除去を行なって菌を減らしていきます。歯肉の上からの処置だけでは除去が難しい場合、外科手術を行ないます。

また、場合によっては、抜歯を提案することもあります。そのままにしていると、他の歯の健康まで損ねる場合があるためです。

歯周病(重度)

歯周病と全身疾患との関連性

歯周病と全身疾患との関連性

あまり知られていませんが、歯周病はお口の中だけではなく、全身疾患との関連性もあります。特に歯周病との関連性が指摘されているのが、「糖尿病」「心臓病」「早産」です。

糖尿病との関連

重度の歯周病の場合、軽度の方に比べて、2年後に糖尿病が悪化している率が5倍高くなるといわれています。

心臓病との関連

歯周病菌が作り出す物質が血液中に流れ、動脈硬化を起こすのではないかと考えられていて、心筋梗塞や狭心症を引き起こす原因となります。健康な方に比べて、心臓病発症の危険率が2.8倍といわれています。

早産との関連

低体重児を出産したある母親は、歯周病が進行していたという報告があります。また、妊娠中の歯周病をそのままにしておくと早産の確率が高まるといわれています。

Q&A

  • Q.

    喫煙が歯周病を悪化させるというのは本当ですか?

    A.

    本当です。

    歯周病とタバコは、あまり関係がないように思えますが、喫煙者は非喫煙者よりも歯周病にかかりやすく、重症化しやすい傾向にあります。
    また、喫煙者は歯周病の治療を行なっても、非喫煙者に比べて効果は25〜50%落ちるとされています。さらに予後が悪く、歯周病により歯を失う確率も高くなっています。これらの原因は、タバコに含まれる有害物質に起因しています。

    ニコチンによる血流阻害

    タバコに含まれているニコチンは、歯肉の血流を悪くします。そのため、歯肉に酸素や栄養が行き渡らず、抵抗力が弱まり、歯周病を進行させます。

    一酸化炭素による酸素供給阻害

    タバコによって発生する一酸化酸素によって、歯肉に酸素や栄養が行き渡らず、抵抗力が弱まり、歯周病を進行させます。

    ニコチンや一酸化炭素による歯肉の硬化

    ニコチンや一酸化炭素によって、歯肉が硬くゴツゴツしてくるために、歯周病が進行しても自覚症状は少なく、気づいた際にはもう手遅れという場合がよくあります。

    白血球の活動を抑制

    白血球は歯周病菌と戦い、退治する役目をもっているのですが、タバコは白血球の機能を低下させる作用があります。その結果、歯周病菌に対する歯肉の防御機能が低下して、歯周病が悪化しやすくなります。

    新しい組織を作る細胞の増殖を抑制

    タバコは歯周病の回復に必要な細胞の増殖を妨げる働きがあります。そのため、歯周病治療をしたとしても、喫煙習慣を続けていれば改善は望めません。

    唾液の減少

    唾液は煙草に含まれる有害物質を中和したり、歯周病菌の増殖を抑えたりする働きがあります。
    煙草によって唾液が減少すると、歯周病が悪化しやすくなります。

  • Q.

    高齢になるにつれて歯周病になりやすくなるのですか?

    A.

    たしかにその傾向はあります。

    やはり、加齢とともに体の機能は衰えてきますので、若い頃に比べて歯周病になりやすく、進行しやすいといえます。しかし、お口のケアを心がければ、歯周病リスクを低く抑えられます。

歯周病治療・歯周外科治療・歯周組織再生治療にともなう一般的なリスク・副作用

  • ・内容によっては自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
  • ・歯周病の基本治療で改善しない場合に行なう歯周外科治療や歯周組織再生療法では、歯肉を切開するため、腫れや痛みをともなうことがあります。
  • ・破壊された歯周組織は元に戻せないので、治療後歯肉が下がることがあります。
  • ・治療によって歯肉が引き締まってくるため、被せ物と歯肉の段差が目立つことがあります。

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